人前での緊張など他人恐怖(対人恐怖症)の症状の解説

他人恐怖(対人恐怖症)とは

概要

この症状の名称は、対人恐怖や、上がり症と同様に比較的、昔の名称であり、現在は社会不安障害とか、社交不安障害、社会恐怖症などと言われている症状になります。
パニック障害と共に神経症の中でも特に多く見られる症状であり、会社や学校での対人関係や人付き合いなど、他人との関係で悩むようになるというパターンが多いものです。
ただ、この症状は単なる、人見知りや内気、人付き合いが苦手というレベルを超えて、常に他人との関係に注意が向いてしまい、緊張や不安を感じてしまうというレベルまで行ってしまうものになります。
つまり、人間関係における緊張や不安に「とらわれ」が出来ているのが、他人恐怖(対人恐怖症)の場合に当てはまると言って良いと思います。
最近は、パニック障害(不安症、不安神経症)と同様に、他人恐怖(対人恐怖症)もSSRIなどの薬で治そうとする傾向が精神科や心療内科の病院ではありますが、この方向では症状を表面的に鎮めるだけであり根本的な改善には結びつかないと思います。
これは他人恐怖の症状が鬱病などの心の病気の場合とは異なり、脳や神経の異常から起こるものではなく、人間関係に対する「とらわれ」から起こるものだからなのです。
ですから、時間は、ある程度かかりますが、森田療法などの精神療法が必要になってくる症状だと言って良いと思います。
つまり、森田療法の考え方を身に付けていく中で人間関係に対する「とらわれ」が薄らいでくると、これに比例して症状が治ってくるものなのです。
なお、他人恐怖の症状を森田療法によって治せるかどうかは悩んでいる本人が神経質性格を持っているかどうかで決まってきます。
つまり、心配症や完全欲の強さといった神経質性格を持っている人の場合は薬を飲まずに森田療法の学習をしていった方が他人恐怖(対人恐怖症)の症状を根本的に改善していくことが出来るものなのです。
しかし、こういう神経質性格の特徴を持っていない人の場合は薬などの治療の方が改善する可能性が高くなると思います。

具体的な症状について

下記の19種類が他人恐怖(対人恐怖症)の主な例になります。


1)他人の前に出ると緊張して苦しくなる。(対人緊張)
2)他人の前で緊張し、顔が赤くなってしまい辛い。(赤面恐怖)
3)他人の視線がきになってしまう。(視線恐怖症)
4)自分の視線が他人を不愉快にさせているのではないかと感じてしまう。(自己視線恐怖)
5)相手の目を見て話せない。(正視恐怖)
6)見てはいけないと思う所に目が行ってしまう。(脇見恐怖症)
7)表情がこわばり、人から変に思われていると感じる。(表情恐怖)
8)笑顔がひきつってしまう。(笑顔恐怖症)
9)自分の顔や姿が醜いことが気になってしまう。(醜形恐怖)
10)唾を飲み込む音が聞こえ変に思われると感じる。(唾恐怖)
11)他人の前で緊張し、汗が出てしまうことが辛い。(発汗恐怖、多汗症)
12)人前で緊張し、声や手足が震えてしまう。
13)人前で電話に出るのが辛い。(電話恐怖)
14)他人と話している時に、言いたいことが言えなくなってしまう。
15)自分の臭いで人に迷惑をかけているように思う。(体臭恐怖)
16)おならが出て、人に迷惑をかけてしまう。(おなら恐怖)
17)物がなくなった時に、疑いをかけられるようで不安。(嫌疑恐怖)
18)自分が他人に危害を与えるのではないかと不安になる。(加害恐怖)
19)人前で最初の言葉が出にくい。(吃音恐怖)

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