対人緊張、赤面症など、上がり症の症状の解説

上がり症の代表的な症状

概要

上がり症は、上がり性とも呼ばれますが、アガリ症と同じ意味になり、他人恐怖(対人恐怖症)と同様、比較的、昔の名称であり、現在では、社会恐怖症や社会不安障害、社交不安症と言われている症状になります。
元もと、おとなしく内気で人見知りの傾向があり、人前で上がりやすく、人間関係や人付き合いがスムーズに行かなくなるという特徴があるところから、上がり症と呼ばれるのではないかと思います。
ただ、単なる、内気や人見知り、人付き合いが苦手というレベルを超えて病的に悩んでしまうのが、上がり症の場合の特徴だと言って良いと思います。
つまり、上がり症の状態になると、常に人前での緊張や症状に注意が向いているために、日常生活に支障が出てくることが多いものなのです。
仕事や勉強の効率が悪くなるとか、ストレス過剰の状態が続き、身体的な異変が起こってくることもあるものなのです。
なお、下記の表にも書かせていただきましたが、上がり症は最近でも神経症の中で一番多く見られる症状になります。
また、最近の精神科や心療内科の病院ではパニック障害(不安症)と同様に上がり症の場合でも薬で治そうとする傾向がありますが、この方向では一時的には症状が楽になったとしても、根本的な改善には結びつかないと思います。
これは、上がり症という症状が元もと脳や神経の異常から来るものではなく、緊張や症状を異常なものだと考える誤った心の置き所(心のマイナスのクセ)から来るものだからなのです。
つまり、例えて言えば、上がり症を薬で治そうとするのは、貧乏ゆすりや爪を噛む「クセ」を薬で治そうとするのと同じ事だと言っても良いのではないかと思います。
ですから、時間は数ヶ月から数年と、ある程度かかりますが森田療法などの精神療法で対応していった方が良い症状だと言えるのです。
つまり、森田療法の学習をしていく中で、人前での緊張や症状を異常なものだと考える、誤った心の置き所(心のマイナスのクセ)が直ってくると、この結果として上がり症の症状は根本的に改善してくるものなのです。

具体的な症状について

下記の17種類が、上がり症の代表的な症状になります。

・人前に出ると上がり、苦しくなる。(対人緊張)
・人前で上がり、顔が赤くなってしまい辛い。(赤面性、赤面症)
・人と会話をする時に、相手の視線が気になり、目のやり場に困る。 (視線恐怖)
・自分の視線が相手を不愉快にさせているのではないかと感じ、辛い。
・不愉快な思いをさせるのではないかと感じ、相手を正視出来ない。 (正視恐怖)
・表情がこわばったり、顔がひきつって自然に笑えない。(表情恐怖)
・自分の笑い顔がべそをかいているように感じ、辛い。(笑顔恐怖)
・自分の顔や姿が醜いために人から嫌われてしまう。(醜形恐怖)
・人前で唾を飲み込むと、その音が相手に伝わるようで、辛い。(唾恐怖)
・笑ってはいけない所で、笑い出しそうで、辛い。
・人前であがり、汗が出てしまうことが辛い。(発汗恐怖、多汗症)
・人前で声が震えたり、手足が震えたりするので、辛い。
・電話の時に、最初の言葉がつかえてしまい、辛い。(電話恐怖)
・人と話している時に、言いたいことが言えなくなってしまい、辛い。
・変な臭いを出しているので、人に迷惑をかけているように思う。(体臭恐怖、自己臭恐怖)
・おならが出て、人に迷惑をかけてしまう。(おなら恐怖)
・人前で、どもってしまうようで怖い。(吃音恐怖)
・コップを持つ手が震えてしまう。(震え恐怖、書痙)

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